認知文法における副詞の意味構(gòu)造

認知文法における副詞の意味構(gòu)造

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1、福岡大學人文論叢第41巻第3號―1095―認知文法における副詞の意味構(gòu)造*古賀恵介0.序英語に限ったことではないが、副詞という品詞は何とも特徴づけの難しい品詞である。副詞というカテゴリーの構(gòu)成メンバーをなす語の意味的?統(tǒng)語的性質(zhì)が極めて多岐にわたっており、一見すると雑多な要素の寄せ集めにしか思われないからである。(そのため、“品詞分類のごみ箱”などと揶揄されることもあるくらいである。)全體に共通する特性を敢えて言うとすれば、「名詞以外の構(gòu)成素を修飾する(“adverbsfunctionasmodifiersofconstituentsotherthannouns”)」(Schac

2、hterandShopen(2007))というくらいであろうか。しかし、この「名詞以外の構(gòu)成素を修飾する」という、それ自體としてはネガティブな定義は、認知文法の立場からすればズバリ真実を突いていることになる。なぜなら、名詞とそれ以外の構(gòu)成素の違いを説明できる概念的區(qū)別を理論的に提示できれば、この定義は副詞全體をポジティブにカバーする定義に転化するからである。では、認知文法では名詞とそれ以外の構(gòu)成素の區(qū)別をどのように理論的に説明しているのであろうか?認知文法では、すべての語が表す概念はモノ概念かまたは関係概念であり、前者は名詞により、後者はそれ以外の品詞によって表されると仮定してい

3、る。それゆえ、「副詞は関係概念を修飾する語である」と*福岡大學人文學部準教授(1)―1096―定義することができるのである。品詞論の全體像からこの點をはっきりさせるために、認知文法での英語の主要品詞分類の大雑把な全體像を示すと、以下のようになる。(1)名詞:モノ概念を表す(2)モノ概念をトラジェクターとする(つまり修飾する)関係概念を表すa.形容詞:靜的に捉えられた関係概念を表すb.動詞:動的(走査的)に捉えられた関係概念を表す(3)副詞:関係概念をトラジェクターとする関係概念を表す(4)前置詞:ランドマークが直接顕在化する関係概念この內(nèi)容の詳細は次節(jié)で説明することになるので、こ

4、こではとりあえず、認知文法の枠組を用いれば副詞という品詞の全體像をその概念構(gòu)造から捉えることができる、という點を理解していただければよいと思う。しかし、その一方で、副詞という、雑多なメンバーを含むカテゴリーの內(nèi)部分類については、認知文法ではこれまで実質(zhì)的に何も語られて來なかったと言ってよい。認知文法でこれまでに行なわれてきた研究では、名詞?動詞?前置詞の意味構(gòu)造やgroundingのあり方についての分析が中心的な話題を占めてきたためか、名詞の可算?不可算、動詞の他動性やアスペクト、前置詞の意味の多義性とプロトタイプ構(gòu)造、時制や法助動詞の意味といった問題については詳細にわたっての考

5、察が數(shù)多く積み重ねられてきている。ところが、副詞に目を転じてみると、(3)のような基本的な定義が述べられるのみで、更なる下位分類やその詳細な意味構(gòu)造の分析は全く見られないと言っていい狀態(tài)である。(Langacker(1987;1990;1991;2000;2008)、Taylor(2002)、RaddenandDirven(2007)、テイラー&瀬戸(2008))それも、伝統(tǒng)文法家Curme(1935)の直観的分類に始まり、Greenbaum(1969)やQuirketal(1985)に代表される(特定の理論に依拠しないという意味での)非理論的研究や、Keyser(1968)に始

6、まる生成文法を理論的枠組とする諸研究により、副詞カテゴリー(2)認知文法における副詞の意味構(gòu)造(古賀)―1097―の下位分類の階層的內(nèi)部構(gòu)造のあり方がかなり明らかになってきているにも拘らず、なのである。そこで、本稿では、副詞の內(nèi)部分類とその各下位類の概念構(gòu)造の特徴を整理しながら、副詞の全體像を認知文法の枠組を用いて描き出してみたいと思う。以下、第1節(jié)では、認知文法における統(tǒng)語構(gòu)造論の大まかな説明と、副詞の基本的な定義について考察する。そして、第2節(jié)、第3節(jié)、第4節(jié)では、それぞれ、副詞の大分類である客體描寫副詞?文副詞?接続副詞について詳述する。特に、第3節(jié)では、文副詞が文の意味の

7、主観性領域を修飾する副詞であるため、その意味構(gòu)造の特徴が、筆者の提唱する三層構(gòu)造仮説の考え方に非常によく符1合するという點に重點を置いて論述を進めたいと思う。1.認知文法の統(tǒng)語構(gòu)造論と副詞認知文法の統(tǒng)語構(gòu)造論については、Langacker(1987)以來、認知言語學の世界の中では半ば常識となりつつあるが、議論の便宜上、必要最低限の內(nèi)容に絞って、ここで敷衍しておきたいと思う。(詳細はLangacker(1987,1991,2008),Taylor(2002),RaddenandDi

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